書籍編集者 城村典子のブログ

出版社が本を売るということ<商業出版業界を知ろうその4>

 

前回は

「出版業界を知ろう 〜出版社の企画会議〜」

についてお伝えしました

今回は
「出版業界を知ろう 〜出版社が本を売るということ〜」
についてお伝えします。
「出版業界を知ろう」のコーナーの最終回です。
です。

 

80%、本が売れない中での出版活動。

8対2の法則は、いろいろなところで、でてきますが

出版においての、ヒットの打率も
まさしく、2:8  という実態だとは、

よく、いろいろな人も話をしていますし、

私も、実際、売れ行き調査などしていると

実態として、こんなに売れないんだ、と感じていますので

かなり信憑性のある説だと思います。
企画の採用までも、結構な打率で、採用不可になっていることと思いますが、

そんな企画会議を通過しても

さらに、2割しか売れない。
出版社とは、考えてみれば大変な商売です。
そう、出版社も大変ですが、

著者としても、真剣に捉える必要があります。
「企画を採用したのは、出版社だから

儲かろうが儲かるまいが、売れようが、売れまいが、それは私は知ったことではない」
極端な話、こう言いきるのも自由です。
しかし、

実売の成績は、その本と著者につきます。
例えば

1冊目の本を出して、売れなかった
となると

2冊目の本を企画会議で採用してもらうのは

初めて出版するときよりも厳しくなります。
出版社の企画会議では、

類書の実績調査と

著者い、出版実績がある場合は
必ず、その前著の実績を調べます。
成績が悪かった場合、

「なぜ、成績の悪い著者の本をだすのか」

「今度の本が売れる可能性はどこにあるのか」
ということを、会議では、必ず問われます。
もちろん、絶対に通過しない

ということはありません。
すばらしい企画だったり

1冊目出したころより

格段に知名度が上がってる
実績があがってる
というような状況だったら、問題ないでしょう
でも、成績が残っているだけに

そういうトピックがない限り、かなり厳しくなるのは事実です。

オファーを受けまくると悲劇が待つ可能性がある

また、逆に、1冊目が、大ヒットした場合。
なんの心配もないと思うかもしれませんが

ここでも気を付けなくてはいけないポイントがあります。
大ヒットすると

ほとんど、いろいろな、出版社から、オファー

つまり

「うちで、本を書いてくれないか」

と、編集者から連絡が多く入ります。
「せっかく、声をかけてくださたんだから

声をかけてくれた仕事は全部やろう」

という方も、中に多くいます。
もちろん、そのオファーを全部、高いクオリティーで受けて
さらに、しっかり売れたら問題はありません。
しかし、多くの場合、
著者のプロには、なっていない場合、
クオリティを担保しつつ

何冊も本をだし続けることはむずかしいです。
何冊も出している著者は

「一定期間のインターバルをあけている」
「自分のペースを知っている」

など、

必ず、自分の勝ちパターンを知っています。

時折

ヒットののちに

本を、月に1~2冊 大量に出し

その本の、ほとんどが、辺鄙率の高い本になってしまっている
という著者の方に出会うことがあります。
こういうケースは
1冊目の成績が悪かったが

2冊目の企画のプレゼンには、理論武装してのぞもう!
というレベルの、挽回では、まったく通用しない世界に入ります。
悪い実績が積み重なりすぎて

出版社によっては

「名前を変えて出したら」

と言い出すくらい
悪い実績が、その著者についてしまいます。

著者はどうする?

出版社自体の、本の売り方というのは

この時代、他の業種にくらべて、ずいぶん遅れていると私は感じます。
でも、業界にいて

業界のしがらみの中いいると気づきにくく

逆に、そのしくみができてしまっているので

結果的には、著者が、文句を言ったところで
どうすることもできないのですから
著者の方で、そういう背景を理解して立ち回るのが最善だと思います。

対策1 としては

自分が伝えたいことを 読者が知りたいことにしてしっかり伝える

つまり、ヒット狙いで、浮ついた企画にしない

です。

万が一80%の方に自分の本が入ったときに

自分で伝えたい本でなかったら、挽回のしようもありません。

80%に入ってしまっても

自分の顧客や、ファンの方に、長く愛され、売り続ける本になると

ヒットにはならなくても

本としての役割は果たせたということになると思います。

 

対策2
1とも関連しますが

常に、本を書くスタンスや

企画を用意しておく
そうやって用意していないときに

出版社のオファーがきたときに

大抵の場合は「うれしい!」ということで

受けてしまいがち
冷静な判断ができないことがあります

 

まとめ

 

日頃から、

「著者になることは、自分にとってどういうことか」
が整理され

企画も用意できていたら
出版社からの依頼にも

受けるべきか、内容を相談すべきか

判断がつきやすいということになると思います

出版社オファーがだめだということではありません

著者の心場前が大事だと思います
出版は、ご縁なので

だからこそ、いつ、声がかかってもいいように
「著者になる、著者である習慣」をつけていていただけるよいと思います。

 

 

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