─── 森永先生が出版を考えられたきっかけを教えていただけますか?
森永「小学生、中学生の頃から文学が好きでした。高校の時は文芸部も流行っていまして、詩を書いたり、ちょっとした短編を書いたりもしていたんです。当時は歯科医師を目指して勉強していたんですが、物書きとして飯を食えたら……というのはあったんですね。『サザエさん』に出てくる作家の伊佐坂先生のように、編集者を待たせながら原稿とにらめっこする。そういうのに憧れていたところがありました。もともと、いつかは本を出したいという純粋な夢はあったんです。ところが大学で歯学科に行き、実際に歯科医師となってみると、それは単なる夢となってしまい、10年20年と過ぎていきました。
けれど、アメリカのアンチエイジングの医学会で勉強して、そこで日本初の認定医になったことをきっかけに、考えが変わりました。アメリカのアンチエイジングの情報というのは、日本より10年進んでいるといっても過言ではありません。そして、アメリカでは2013年、14年頃から口の中の状態と全身の健康との関係が重視されるようになっていました。
この情報を、一般社会に知らせていく方がいいだろうという思いに至りました。その時、出版は非常に有効な手段なのではないかということに気が付き、自分の中で本を出版することが現実味を帯びてきたんです。
ただ、独力で企画書を書いて、自分の企画に合った出版社を探して、そこに持ち込むというのは、私が物書き専業であればいいのですが、医療の仕事をしながらやっていくのはちょっと無理だろうなとも考えました。
そんな時に、精神科医・作家である樺沢紫苑先生の「ウェブ心理塾」で城村さんがセミナーをなさっているのを拝見しました。興味を持って、Jディスカヴァーのホームページを見てみると出版に関するコンテンツも数々見つけました。でも、そのステップを踏むのがもどかしくて、直接城村さんにご連絡したんです。城村さんに助けていただいた方がいいだろうということを、すぐに考えたんですね。」
─── 出版されたことで、どのような変化がありましたか?
森永「比喩的な言い方だし、ちょっと偉そうな言い方になるかもしれませんが、自分の立ち位置が高ければ高いほど、声も遠くに届くと思うんです。ですから、やはり自分の著書を持っているということは、自分のグレードを上げてくれるというのは間違いない。
私に接してくる方、私のことを知ってくださった方が『この方は著書を持っている』ということで見方が変わるのもわかりますし、自分の言いたいことや声が遠くに、多くの皆様に届けることができることも、本を出す前から著者の先生方を見ていて強く感じていました。
ですから、自分の立ち位置を上げるということについては出版することによって解決できるんじゃないかなと思っていましたし、実際それはかなりの部分で達成できたんじゃないかなと思います。」
─── その後、城村と組んで企画書作成から始められ、出版社の方と出会って執筆に至るには長い期間を要したと思います。その中で、大変だった思い出はありますか?
森永「まず、自分が書きたいことと城村さんが私に対して求めてくること、そして版元が求めてくることが完全に違うということがありました。そこのすり合わせが、最初はとても大変でした。
あとは原稿を執筆していく過程で、担当編集者の方から駄目出しされた部分もありました。『これだと一般の方はわからないですね。もう少し(一般の方向けに)わかりやすく書いてください』という指摘を受けたこともあります。
そういう苦労はあったんですが、城村さんがまず、すぐにさくら舎さんを紹介してくれたというのは、すごくありがたかった。それと、さくら舎さんが私の言いたいことに、とても共感してくれたんですね。社長さんはじめ、担当編集者の方も、とても共感してくださいました。そのため、そのすり合わせが非常にやりやすかったんです。やり取りをする上で、齟齬は少なかったと思います。」
─── いま森永先生がおっしゃってくださったように、おひとりで出版を目指すよりも、著者と出版社のあいだにJディスカヴァーが入ることで、著者と出版社との関係がスムーズになるかと思います。
出版社が言っていることを、著者の方に城村がわかりやすくお伝えする。と同時に、著者の方々の主張を伝えるにあたり、城村があいだに入って出版社と調整する。これが、Jディスカヴァーの役割だと考えています。
森永先生からご覧になって、Jディスカヴァーと組むことで躍進される方は、どのような方と思われますか。
森永「城村さんもよくおっしゃっていることですが、著者の方々は自分の強みに気付いていないことがとても多いのではないかと思います。
私自身、自分ではこれを伝えたいというのがありましたが、城村さんからは『森永先生のこういうところも、他の人にはない点ですよ』ということを教えていただきました。また執筆においても、『ここは強調した方がいいのではないでしょうか』など的確なアドバイスをいただきましたね。
〈ジョハリの窓〉ってあるじゃないですか。『自分が見られる自分』、『自分に見えている自分』。その他に、『自分には見えていない自分』というのもあるわけです。自分には見えていない強みというのを、城村さんには気付かせてもらったんです。
そうやって得られた気付きを企画書に落とし込んでいく。それは自分ひとりではできないことですが、城村さんとミーティングを重ねる中でとても多くの気付きがありました。それを企画書に入れていくことができたので、出版社の方々にも響いたのかなと考えています。」
森永「城村さんは、一般的には出版プロデューサーというカテゴリーに入りますよね。出版プロデューサーに対して、ネガティブなイメージや否定的な見解を持っている方も少なくないのではないかと思います。
けれど、一緒に仕事をさせていただいた私が城村さんに対していちばん強く感じるのは、出版に対する愛です。出版そのものに対する愛。それから、著者に対する愛。もっと広くいえば、〈出版という文化〉に対する愛を非常に強く感じます。もちろん、城村さんが動いていただいた分の報酬は発生するんですが、大前提として大きな愛があるんです。
だから一緒に仕事をさせてもらって私自身とても楽しかったし、〈出版〉という具体的な成果を出せたことが本当に嬉しかったですね。」
─── 出版にあたっての販売促進活動についてもお伺いできれば幸いです。これまでの出版事業では、著者の方ご自身が販売促進活動をして本を売るということは、あまりありませんでした。
ただ昨今は、出版社と共に著者の方も、販売促進活動を積極的に取り組まれるケースが増えてきて、業界としてもこれがベターな形になりつつあります。こうした販売促進活動に取り組まれる上で、Jディスカヴァーがあいだに入ってよかったことはありますか?
森永「販売促進活動については、具体的にさまざまなメソッドをご紹介いただきました。その中で自分に合ったものを選択して、著書の販売促進活動をすすめていけたのがよかったです。私の場合はメールマガジンに加えて、本を紹介するプラットフォームである『ヨミトク』への掲載準備もお手伝いいただけました。
SNSによって、ターゲットの層が微妙に違ってくるので、ひとつのチャンネルだけでは広がりが少ないんですよね。けれど、複数のチャンネルを組み合わせることによって、効果が高まるということを教えていただきました。」
─── 最後に、現在出版を目指す方に向けて、先達の著者の先生としてメッセージをお願いできれば幸いです。
森永「出版を目指す方の中には、自分はまだ早いんじゃないかとお考えの方が結構いらっしゃると思うんです。著者になるのはまだ早いとか、自分のステージではないって考えていらっしゃる方も少なくないかもしれません。けれど、そう考えておいでの方でも、実はもうそのステージに到達しているという方も多いと思うんです。
そういう方は、原稿はもちろんのこと企画書もないという段階であっても、たとえば城村さんのセミナーを聞くことで、大きなヒントが得られるのではないでしょうか。そこから案外、思わぬ展開で広がっていくということも少なくないはずです。
ご自身を過小評価する必要はないので、どんどんご相談されたらいい。エントリーとなるセミナーは、城村さんはいつでも開かれているので、そこからまず一歩踏み出されたらいいのではないかと思います」
─── ありがとうございました。
*
森永先生はインタビューの中で、「自分の立ち位置が高ければ高いほど、声も遠くに届く」と伝えられました。このように著書を持つことにより、周囲からの見られ方や扱われ方も変わってくるということは、多くの著者が感じていることです。
ただ、出版された本を手にとって見ると、著者が言いたいことが読者に伝わっていないことも少なくありません。せっかくの出版がイメージダウンになってしまわないように、著者と出版社とのあいだに入り、著者のイメージを上げるためのノウハウを持った第三者が必要となってきます。
Jディスカヴァーには城村をはじめ、そのためのノウハウに熟練した編集者が多く在籍しております。あなたの出版を応援させていただければ幸いです。いつでもお気軽にご相談ください。
(相談フォーム)