「1時間」定時を短くしても、儲かる会社になる方法: 最低賃金1,500円時代を生き抜くメソッド

『「1時間」定時を短くしても、儲かる会社になる方法: 最低賃金1,500円時代を生き抜くメソッド』
石井隆介
同友館
https://amzn.asia/d/01hPhWrm

『本は、その人が歩いてきた道の途中に生まれる』

先週、私たちJ.Discoverと縁の強い
石井隆介さんの
『「1時間」定時を短くしても、儲かる会社になる方法』
の出版講演会に参加してきました。

この本は、
「最低賃金が上がる」
「人が採れない」
「でも、会社として利益を出さなければならない」
そんな、今の中小企業が直面している課題に対して、
だったら、定時を1時間短くしてしまおう
という、「そこに行く?」 と思われるような提案をしている本です。

長く働いて成果を上げるのではなく、
会社の側が時間を短くすることで、仕事の仕組みそのものを変えていく。

本が主張するところとしても
「個人の能力に頼るのではなく、
会社全体でコンパクトに働きながら、価値ある業務に集中する」
という考え方が示されています。

とても石井さんらしい本です。

さらに、今回、出版講演会に参加して、
本って、突然できるものではないんだな。
ということを、改めて感じていました。

会場には、たくさんの方がいらっしゃいました。
石井さんは平塚で、地域との関係をずっとつくってこられています。
地元の活動に関わったり、FMに出演したり、地域のスポンサーになったり。

そして、仕事の世界でも、
スピーチコンテストに挑戦する。
商工会議所に選ばれる講師になる。
雑誌で連載する。
一見すると、華やかな実績にも見えます。

でも、一つひとつを見ていくと、
そこに見えるのは『継続』です。
講演会に集まった人たちを見ていると、
その一つひとつが、ちゃんと今につながっている
ことがよくわかりました。

努力もする。
勉強もする。
頼まれたことにもきちんと応える。
でも、いわゆる「コンサバな真面目さ」ともちょっと違う。
スピーチコンテストにも出るし、新しいことにも挑戦する。

一方で、
「早く有名になりたい」
「一気に売れたい」
という感じでもない。
急ぎすぎず、でも止まらず、実直に前へ進んでいる。
私は、そこがとても印象に残りました。

そして実は、今回の本のテーマともつながっている気がします。
この本は、「もっと働こう」という本ではありません。
むしろ、
限られた時間の中で、何に力を使うのかを考えよう
という本です。
給与を下げずに労働時間を短くすることで、
社員にも自由な時間が生まれ、組織にも変化を起こしていく。
その考え方は、単なる残業削減とは少し違います。

石井さん自身も、
なんでもかんでもやっているというより、
自分の仕事をし、
人と関わり、
地域と関わり、
頼まれた役割を果たし、
また次へ進む。
その積み重ねで、今の場所に来たのだと思います。

本を出すというのは、
自己実現と自分がしたい社会貢献を統合する作業です。
今回の石井さんの本も、まさにそうだと思いました。

当日の、講演会では私も講演し、石井さんとも対談をしたのですが、
改めて、この本は、その形とそっくりだなあと
強く実感しました。

「定時を1時間短くする」というアイデアだけなら、
一行で終わります。

でも、なぜそれが必要なのか。
会社に何が起こるのか。
社員に何が起こるのか。
経営にどう返ってくるのか。
そして、どう実行するのか。
そこまで自分の経験と知見を整理し、
240ページの本にして社会へ差し出した。

出版は、ゴールではない
そして、講演会の会場を見ながら、もう一つ思いました。
本が出たから、人が集まったわけではない。
もちろん、本が出たことは大きい。

でも、そこにいたのは、
石井さんが、それまでの人生で一人ずつ関わってきた人たちでもありました。

仕事で出会った人。
地域で出会った人。
勉強の場で出会った人。
挑戦する中で出会った人。

その人たちが、
「石井さん、本が出たんだね」
と集まっている。
本を出すために人脈をつくったのではない。
社会と関わり続けてきた結果として、本が生まれた。
そして今度は、その本がまた、新しい人と石井さんをつないでいく。

自分を見つける。
社会を見つめる。
自分の持っているものを、誰かの役に立つ価値に変える。
そして、社会に届ける。
すると、また新しい接続が始まる。
こうやって、石井さんが見つけた
「定時短縮で中小企業を助ける」という方法が広がっていく。

そして、その奥にある
「定時短縮は、経営哲学である」
という思想までが、人から人へ伝わっていく。

出版講演会の会場で、
私はその「社会に広がっていく瞬間」を
目の前で見せていただいたように思います。

(終)

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