整えるだけでうまくいく!すごい仕事術

『整えるだけでうまくいく!すごい仕事術 』
原沢一世
みらいパブリッシング
https://amzn.asia/d/08MKOAWH

【自分の人生を、自分のものにするには?】

自分の人生は、自分のもの。

そんなの当たり前だと思います。
でも、本当にそうでしょうか。

仕事がある。
やらなければいけないことがある。
家族がいる。
誰かから期待されている。
明日までに返事をしなければならない。
今日中に終わらせなければならない仕事がある。

そんなことを一つひとつやっているうちに、
気づけば一日が終わり、
一週間が終わり、
一年が終わる。

別に、誰かに人生を奪われたわけではありません。
自分で選んで仕事をして、
自分で予定を入れて、
自分で「やらなきゃ」と思っている。

なのに、
自分の人生を生きている感じが、だんだん薄くなっていく。
そんなことって、あるんじゃないかと思います。

原沢一世さんの
『整えるだけでうまくいく! すごい仕事術』。

タイトルだけ見ると、
仕事を効率化する本?って思うかもしれません。

実際、著者は「残業ゼロコーチ」。
本の中には、残業を減らしながら成果を出すための
具体的な方法が紹介されています。

でも、私がこの本を読んでいて面白いと思ったのは、
もっとその手前にある考え。

それは、
仕事を減らすのではなく、仕事との関係を組み直す。
ということ。

頑張る前に「整える」
私たちは、仕事がうまくいかないと、
もっと頑張ろう。
もっと勉強しよう。
もっと効率を上げよう。
と考えがちです。
つまり、「足す」。

でも、この本が提案しているのは、少し違います。
自分の仕事を構成しているものを一度分解する。

そして、
成果を阻害しているものは何なのか。
本当に必要なものは何なのか。
何をやめられるのか。
を見つけていく。
そうやって、余白をつくり直す。

私はここが、とても面白いと思いました。
なぜなら、これは単なる仕事術ではなく、
自分の人生の主導権を、自分に戻す作業
だと思うからです。

仕事に人生を使われるのではなく、
自分が、仕事を使う。

この二つは、似ているようで全然違います。
自分の人生なのに、自分のものになっていない

私は、
多くの人が、意識的にも無意識にも、
自分の人生を、自分のものにできていない
のではないかと思うことが多々あります。

会社のため。
家族のため。
生活のため。
誰かの期待に応えるため。

もちろん、それらは大切です。
人は一人では生きていませんから、
自分の好き勝手に生きればいい、という話でもありません。

でも、
「私は何をしたいのか」
「私は何を大切にしているのか」
「この先、どう生きたいのか」
と聞かれた途端に、答えられなくなる人は案外多い。

それも当然だと思います。
毎日の仕事に追われていたら、
そんなことを考える余白そのものがありません。

だから、
「自分らしく生きましょう」
「やりたいことをやりましょう」
と言われても困る。

じゃあ、
どうやったら自分の人生を、
自分のものにできるの?
となる。

私は、この問いに対して、
一つ、とても有効なものがあると思っているのが
著者になるということ。

著者になることは、自分の人生を取り戻しやすい
本を出そうと思ったら、
自分は何を伝えたいのか。
なぜ、それを伝えたいのか。
自分は何を経験してきたのか。
そこから何を学んだのか。
誰に届けたいのか。
そんなことを、嫌でも考えることになります。

つまり、
普段は仕事や役割の中に埋もれている「自分」を、
いったん取り出して眺めることになる。
これは、かなり面白い作業です。

「私は経営者です」
「私は会社員です」
「私は○○の専門家です」
という肩書きをいったん外して、
私は、何を大切にして生きてきた人なんだろう?
と考える。

すると、
バラバラだった経験がつながったり、
自分では失敗だと思っていたことに意味が見つかったり、
ずっと当たり前にやってきたことが、
実は自分独自の価値だったと気づいたりする。

もちろん、本を出したから人生が自由になるわけではありません。
でも、
自分の人生を一度分解して、もう一度、自分の手で組み直す。
出版には、そんな作用があると私は思っています。

そう考えると、
『整えるだけでうまくいく! すごい仕事術』
で語られている「整える」と、
私が出版の仕事を通してやっていることは、
意外と近いのかもしれません。

仕事を分解して、
不要なものを取り除き、
余白をつくり直す。
人生を振り返って、
経験を分解して、
意味を見つけ、
これからを組み直す。

どちらも、
自分ではない何かに使われていた人生を、自分のところへ戻してくる。
そんな作業なのだと思います。

仕事を効率化して、
たくさん働けるようになるためではない。
余白をつくって、
その時間を、もう一度、自分の人生に使えるようにするため。

この本を読んで、
「仕事を整える」という言葉の向こうに、
そんなことを感じました。

あなたは今、
自分の時間を、
自分の人生のために使えているでしょうか。
(終)

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