書籍編集者 城村典子のブログ

デジタル出版・商業出版で成功する人失敗する人

『「デジタル出版・電子書籍」をすると良い、という誘いを受けます。
どうしたらいいでしょう?』

という質問をよく聞きます。
その問いに答えてみたいと思います。

1 デジタル出版・電子書籍     ブログとどう違う?
2 コストは抑えられる?
3 デジタル出版で成功する人、失敗する人
4 電子書籍でマネタイズするには?
5 商業出版を狙うのか電子書籍を狙うのか

1 デジタル出版・電子書籍  ブログとどう違う?

デジタル出版は、紙の出版と比べて「制作」という観点では
手軽にできるケースが多いと言えるでしょう。

紙の本、商業出版だと、
通常「採用(出版会議通過・執筆開始)」と言われてから
刊行までおおよそ6か月、というのが多くの出版社の工程時間です。

電子書籍は、原稿(カバーデザインなど全ての素材)が揃ったら、
その後の専門家に頼んでも2〜3週間。

自分でアップするのでしたら、何時間単位という時間軸でも
アップできるということになるでしょう。

では、ブログやnoteとどう違うのでしょう?

一番は「パッケージになっている」こと。

ブログや、noteが雑誌の連載だとしたら
「(デジタル)出版」「(電子)書籍」は
情報をまとめて、再編成して
つまり「編集」して、読者により伝わりやすい「概念」にしています。

タイトルをつける、表紙デザインをつける、などが
「編集」していることの分かりやすい点ですが、
「出版物」になるというのは
「編集」しているというのが一番大きな違いかと感じます。

さらに、
「電子書籍」と「デジタル出版」の違いは、
言葉の定義で言うと
「電子書籍」というのは コンテンツ

「デジタル出版」というのは、流通するインフラを含めるのが「出版」
ということだと思いますが、
実態は、両方混同して言われているように感じます。

流通するインフラとは、導線です。
紙の本でいえば、商業出版の流通網が実態としてあります。

取次という問屋から、全国の書店とのパイプがあるわけです。
この公共のインフラがあるので、本は全国の書店で販売できている。

「出版」とは、ただ、本ができるだけではく
このインフラ(流通網・導線)含めての活動のこと、
というのが、正確な捉え方だと思います。

2 コストは抑えられる?

1では、ブログやnoteとどう違うのか、のお話を伝えました。
今度は、コストの面についてお伝えしたいと思います。

制作費用という観点で見ると、
電子書籍は、自分で全て制作するのであれば0円ともいえるでしょう。

1でお伝えした、カバーをデザインする、誰かに編集を頼む
ということになるとコストがかかります。

それに対比して
紙の書籍を自分で作るということになったとしたら、
紙などの資材、印刷費、製本費などがかかる他
それを届けるためには、配送費用や
本を保管するのであれば、場所の費用がかかります。

一方、
電子・紙に関わらず「商業出版」は
コストを出版社が負担して、売れる本を作るというスキームです。

出版社は「読者が本を買ってくれる」という売り上げを見越して
「本」という商品を作ります。

電子書籍(デジタル出版)をおすすめされている人は、
この「電子書籍(デジタル出版)を作る」というイベントを通じて
何を実現しようとしているのかを考えて、選択されるといいと思います。

選択肢としては

1 電子書籍を自分で作る
2 紙の書籍を自分で作る
3 商業出版を狙う

ということを比較して考えると良いかと思いますが、
では、どういう基準で考えたらいいかを次にお伝えします。

3 デジタル出版で成功する人、失敗する人

私の経験では、

1 電子書籍を自分で作る
2 紙の書籍を自分で作る
3 商業出版を狙う

どれを選択するにしろ、
その後の活用方法をイメージできている人が成功につながると感じます。

1 電子書籍を自分で作る
・メリット  自分の自由に作れる
コストを抑えやすい
タイミングを自分で決められる
後から修正もできる

・デメリット  第三者の目が入りにくい
自分に拡散の力(ネットの導線)がないと広がりにくい

2 紙の本を自分で作る
・メリット  自分の自由に作れる
コストはややかかるが自分でコントロールができる
タイミングを自分で決められる
物体として現れるので人に見せやすい

・デメリット  第三者の目が入りにくい
自分に拡散の力がないと広がりにくい

3 商業出版を狙う
・メリット 商品として完成させるので品質・クオリティが上がる
出版社が売ろうとするので広がりやすい

・デメリット  スケジュールや完成基準などは著者の思い通りにはならない

例えば、
自分の考えをブログやnoteより、まとめたものとして発表したい
ということで電子書籍を制作するというのは、選択肢としてありだと思います。

ただ、電子書籍を作ったからといってすぐに広がるわけではありません。
紙の本以上に人の目に触れるのは難しいものです。

それを、理解した上でスタートするのがいいと思います。

時折、
「電子書籍を作ると、そこから商業出版につながる」
という話を聞きますが、

電子書籍は「パッケージされている」が故に
一度受け取って読もうとしてくれたら、プレゼンテーション効果がありますが、
ブログのような気軽さはないといえるでしょう。

なので、ご自身のプレゼンテーションの力
その導線(人脈)や、時間を割けるのか、ネット拡散の技術があるのか、
によって、効果の出方は違うと思います。

では
電子書籍を作って、マネタイズするにはどうしたらいいかを次にお伝えします。

4 電子書籍でマネタイズするには?

私は、ネットマーケティングについては専門外ですが、
電子書籍で成功している人を観察していると
やはり、ネットの導線について力がある人が成功していると感じます。

例えば
「電子書籍」という、ネット記事やブログと違う「価値」を作る
買ってくれた人に次のプレゼントがある
イベント感を出す

など、ご自身のマーケティング戦略の中に電子書籍がハマると
成功すると感じます。

このネットマーケティングも含んだ電子書籍制作は
まさしく「デジタル出版」です。

なので、
「デジタル出版」をしませんか、と誘われた場合には

電子書籍を作るだけの話なのか、
マーケティング導線もアドバイスやコンサルティングがあるのか
マーケティング部分は、自分がやるのか、考えるのか

など、把握しておくことも失敗しないためのコツだと思います。

5 商業出版を狙うのか電子書籍を狙うのか

以前、自費出版か商業出版の選び方の観点で記事を書きました。

自費出版で成功する人、失敗する人

それに加え、電子書籍という選択肢も増え
どうやって出版を活用して、ご自身の活動を広げるかを考えられるのは
良いことだと思います。

1 電子書籍を自分で作る
2 紙の書籍を自分で作る
3 商業出版を狙う

さて、では、この記事の最後に
電子書籍の商業出版を狙うというのがあるのか
という話もしておきたいと思います。

商業出版というのは、
出版社がそのコンテンツを加工(編集)して
売れる本にして、商業的に成功する

という行為です。

出版社が、電子書籍の刊行だけで利益が上がると考えれば
紙の書籍は制作しないで、電子書籍だけで出すという決意もあるかと思います。

しかし、今のところ、出版社では、
「紙の本を出してプラス電子書籍を作る」
というパターンか

「紙の本だけ出す」
というパターンで、ビジネスモデルが成り立っていると思います。

それは、出版社自体が電子書籍を広めるインフラの研究がまだ未発達
だからかもしれません。
出版業界が持っている、既存の「紙の本を広めるモデル」の中で
電子書籍も付随して広がっているという実態があります。

「電子書籍だけで損益分岐点をクリアする」
ということが少ないのかもしれません。

そのことが現状どういう現象になっているかというと
同じ「電子書籍」でも、二極化現象が起こっていると感じます。

出版社が作る電子書籍は
紙の本でも商業的に成り立つ品質の本を作ります。
一方、一般の人が作る電子書籍は
クオリティをあげるための手をかけていないものも多くなります。

そんなことから「電子書籍」を出している、と伝えた時に、
一般的な読者が「読んで価値のあるクオリティ」があるのか?
と考えてしまう傾向もあります。

そう考えると
実験やテストで、「電子書籍」を使ってみる
そこから「商業業出版」を狙う。

もしくは、コンテンツをまとめることに取り組むなら
一挙に「商業出版」を目指す

という人も多いかと思います。

いずれにしろ、「電子書籍」を作ってみよう、
ということを考え始めたことをきっかけに
「出版」に向き合っていただけたことは、
私は個人的にありがたいことです。

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