書籍編集者 城村典子のブログ

商業出版の方法

1 本を出そうと思ったら、まずやりたいこと
2 作家・著者になるってどんなこと?
3 届けたい人は誰?
4 山を登るための出版企画書
5 独学か、師をつけるか

1 本を出そうと思ったら、まずやりたいこと

まずやること。

多くの人が「原稿を書く」とか、「編集者を探す」とか、「本屋に行く」
というような答えをします。

もちろん間違いではありません。
でも、もっと大事なことがあると私は思っています。

それは、「自分の特徴を知る」
です。

たいがいの人が、
「自分なんて、特徴がない」と思い込んだり
本当は特徴でないことを
「これはすごい特徴だ!」って思ったりします。

私も、毎日のように著者の方と話をしているのですが、
ある、歯の健康の本を書きたいと思っている税理士さん。

ご本人は税理士なんてたくさんいると思っています。
でも、歯医者さんが歯の健康の本を書くのは平凡ですが、
税理士さんが「歯磨きは5000万円のビジネスチャンス」

なんて書くと、オリジナリティが出てきます。

逆に、
この税理士さんが
自分は歯の治療で10 年苦労した。

かみ合わせ、金属アレルギー、莫大な治療費、精神的苦痛。
本当に歯の詰め物は気をつけなくちゃいけないんだ
こんな体験は他にないだろう!

と言っても、
個人の経験になり、社会的には訴求が弱い。

なので、
自分のオリジナリティの見極め方
自分が特徴と思ってることのソゴの見極め方。

これが大事。

異業種交流会などに出ると、
相手の反応で、人はそこに食いつくんだってことがわかったりします。

2 作家・著者になるってどんなこと?

ベストセラー作家の方が、こんなことを言っていました。

「自分のターゲットとする筋の人の中で、とってもリスペクトされ
一方、街を素顔で普通に歩ける、そんな有名人」

確かに。

私もベストセラー作家の方とのお付き合いは多々ありますが、
彼らと外で一緒にご飯を食べていても
人だかりができることはありません。

一方、セミナーやコミュニティの場では
ものすごい信頼を集めている様子を感じます。

信頼を集めると、どんなことがあるか。

極端なことを言うと「神」扱いです。
どんな話も、どんな言葉もありがたい。
相手が、勝手にありがたいと思ってくれる。

それがどんな現象になるかと言うと

ディズニーランドが好きな人は
もう、ディズニーランドに行くと決めた日からワクワクが始まり、

ディズニーランドから帰ってきてもワクワクがしばらく続くように
勝手に、その人との接触がイベント化している状態。

だから、本が出れば、自分に直接関係なくても買う。
その人がセミナーを開けば参加する。
ファンができると言うこと。

また、
そこまでのファンでない人たちの層があります。
今まで、お付き合いのある人から
本を出した人ということで、全く今までの扱い方と違うことになる。

また、本が出てから出会う人たちは
著者の先生と話ができた、という、
コンテンツのファンではなくても、ありがたがられるような。

そんなシーンが生まれます。

3 届けたい人は誰?

1で、自分の特徴がわかると、どの人に届けたら
この話は効果的かが分かります。

また、この人に効果的だろうということがわかると
自分の特徴もわかったりします。

例えば、
ぼんやり「睡眠が大事だ」
という本を書きたいというところからスタートする。

ライバルは、お医者さん、カウンセラー。
自分は寝具店の子どもで、産業カウンセラー

という手がかりから考えると

睡眠に困っているサラリーマンに対して
グッズを使った睡眠の本がいいのでは

という方程式が見えてきます。

4 山を登るための出版企画書

そんな戦略をまとめたものが出版企画書というものです。

出版企画書の中の、ミニマムな要素としては

*タイトル
*著者名/肩書き
*概要
*構成案
*著者プロフィール
*類書の差別化

というような項目があります。

これらは

自分の「戦略」を自分でも整理し、編集者と共有するもの

と捉えてもらったらいいと思います。

編集者は、それぞれ
自社の「出版会議」にあげる出版企画書を作って会社に提案します。

著者が作る出版企画は、
出版社の編集者が「その気」になるための企画書です。

出版社の編集者が
「この人面白そう!」
「本を書かせたらおもしろそうなものがかける」

と思えるような企画書が大事です。

*タイトル
→ 内容が伝わっているか、オリジナリティが出ているか

*著者名/肩書き
→  肩書きがイメージとあっているか、
読者にイメージを伝えるものになっているか

*概要
→  この本の特徴を表しているか
何の本なのかが表現できているか

*構成案(目次案)
→ 伝えたいことの論旨がまとまっているか
読者が納得する構成になっているか
それぞれの言葉にオリジナリティがあるか、具体的か

*著者プロフィール
→ この本を書くのにふさわしい著者だと
読んで読者が納得するものになっているか

*類書の差別化
→ 類書市場がどんな状況になってるか
その中でのどんな特徴を持った本か語れているか

企画書の書き方についてはこちら

商業出版の成功確率は、出版企画書を高めることで高まる。

商業出版の成功確率は、出版企画書を高めることで高まる。

5 独学か、師をつけるか

出版企画書は、戦略書と言ってもいいものです。

ここまでできたら、あとは、出会いです。
出版社と結びつけてくれるセミナーに参加する
本を出したことのある著者に編集者の紹介を頼む

などの方法があります。

いずれの方法も、
動いてみなければ始まらないので
動いてみるというのはとてもいいと思います。

動きながら考える
など

こちらの記事にもあります。

商業出版をする方法は持ち込みだけではない

J.Discoverでも出版企画書登録制度というのがあります

J.Discover《商業出版企画書登録制度》のご案内

さて
ルートがなんとなく見えたら
立ち返るのは、出版企画書です。

どうやって高めたらいいか?

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