書籍編集者 城村典子のブログ

作家を育てる編集者という仕事「地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子」2/3 商業出版の世界

河野悦子さんは、ファッション誌「Lassy」に憧れる女子ながら
校閲部に採用されたのは、

彼女の「こだわり」

「何か変?」と思ったことをそのママにせず
突き詰める。

何かに関心を持ったら調べぬく。

そんな性質に校閲部の部長茸原渚音が才能を見出し
採用します。

そして、
その能力はフルに発揮されます。

それは、そのもともと持った能力に加え

「どんな環境にあっても、力を発揮する」
といった彼女の前向きな思想によるとこが大きいのです。

その姿勢は
だんだん、周りにも影響を与えて
校閲部のメンバーの姿勢や

文芸編集部の貝塚八郎
河野悦子の後輩で、「Lassy」編集部の森尾の意識も変わってきます。
そして、河野悦子の恋する折原幸人も彼女の姿を見て成長して行きます

 

ドラマは
色々な事件も発生し
それが、関係者の結束力も高めていくことになります。

 

そんな中で
とある宅配業者が貝塚八郎に、
「〜お前は、作家を見捨てる〜

という暴言を吐きます。

この人はかつて
貝塚が担当していた作家桐谷歩。
ある事件で、筆を折り(表では)貝塚を恨んでいます。

ところが、ずっと地道に書いていた。

貝塚の方も後悔があり
桐谷の家を訪ね、作品を読ませてもらいますが
桐谷からの信頼はすぐには得られません。

同時に
貝塚は、担当する作家折原幸人の行き詰まりにも直面しています。

 

ここに、「出版社」「編集者」「作家」という関係性の縮図が出ます。

「出版社」のビジネスモデルは
「作家」という製造メーカーに
「売れる本」を書いてもらうというわけですが、

当然「作家」は人であり
ましてや、文芸という芸術を生み出す訳で
機械のようには行きません。

しかし、
「売れない」作家に対しての可能性をどう見出すか
また
「やる気がない」(時にはやる気のない時も)作家の可能性をどう見出すかは
本当に、一筋縄ではいかない訳です。

また、究極いうと、出版社はビジネスモデルを持っている装置なので

何が鍵かというと、編集者。

作家と出版社を結ぶ書籍編集者というのは
今でも、多分に、個人の能力に寄るところが大きいと感じます。

当然のことながら、体力、知的体力、好奇心
語彙力、編集技術、アイデアなど

編集者としての当たり前の技術はもちろん

その願力、見極め、対策、コミュニケーション能力
交渉力、などなど

その能力を持って
作家に対して、先を示してあげる役割ですので
編集者力というのは、尊いです

 

このドラマは文芸編集部なので
まだ、このように作家とともに過ごす時間ができますが、

 

ビジネス書や専門書などは、
1冊あたりの本の売り上げ予算が小規模なので
このようなスタイルは、ほとんど無理
というのが、一般的な傾向です。

あた、文芸編集者も
作家を育てるのは、とても苦労しまうので
選ばれた人にしか、力は注げません。

 

ということで
私は、編集者が作家とタックを組む前に
作家に対して、情報を伝えたり、ご指導したり
エージェントの仕事をしています。

花嫁修行ようなものともいえます
https://jdiscover.jp/publish/j-discover-presents/

 

話が逸れましたが
この物語の中でも

貝塚は、折原(筆名・是永是之)の可能性を信じ
見切りをつけようとする上司から守り

桐谷も励まし
新しく発足した、子ども向け文芸誌に作品を掲載させ
人気を博すことになるのです。

 

桐谷も是永も、それぞれ挫折がある訳ですが
二人ともそこから、立ち上がり、成長して行きます。

私も多くの作家の方を見ていて思うのは
必ず、停滞や挫折はあり、
成功するかは、そこから何を掴むか
継続をする

継続したものだけが成功する
とつくづく感じます。

 

メモ

『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』
2016年10月から12月まで日本テレビ系でテレビドラマ化

『校閲ガール』(こうえつガール)は、
宮木あや子による小説シリーズ。

 

 

【ブログ記事】
魂は、細部に宿る?「地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子」1/2
は、こちらからどうぞ
https://jdiscover.jp/evidence/kouetsu/

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