『ニッポン、今こそ思い込みを捨てる時 』
福田敏彦
日本橋出版
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【人は、自分の思い込みの中で生きている】
本書は経済や金融の話を扱っています。
私自身は、経済の専門家ではありません。
だから、細かな理論の正しさを語ることはできません。
けれど、この本を読んでいて、
強く感じたことがありました。
それは、
「人は、自分の思い込みの中で生きている」
ということ。
私たちは、自分が見ている世界を
現実そのものだと思っています。
でも本当は違う。
それは、自分がこれまで生きてきた環境や経験、
教育や常識によって作られた
“見方”に過ぎません。
著者は、
私たちが当然だと思っている経済の仕組みや、
お金に対する考え方に疑問を投げかけます。
そして、
「本当にそうなのか?」
と問い直していく。
経済だけの話ではないと思います。
出版の思考もそうです。
日頃、著者を育てることが私の仕事です。
多くの人が
「自分には本を書く材料がない」
と言います。
しかし実際には、
材料がないのではありません。
「本とはこういうものだ」
「著者とはこういう人だ」
という思い込みがあるだけです。
だから見えなくなっている。
また、
「私はただの会社員だから」
「特別な実績がないから」
「まだ早いから」
という言葉もよく聞きます。
でも、それもまた
一つの思い込みかもしれません。
思い込みの厄介なところは、
本人にとっては
それが真実に見えてることです。
だから抜け出せない。
しかし、
誰かの考えに触れたり、
本を読んだり、
違う世界の人と出会ったりすると、
ふと、
「そんな見方もあったのか」
という瞬間が訪れます。
私は、その瞬間に
人は成長するのだと思います。
知識が増えるからではない。
世界の見え方が変わるからです。
出版の企画を考えることもまた、
思い込みの外へ出る作業です。
自分の経験を見直し、
当たり前だと思っていたことを問い直し、
別の角度から眺めてみる。
すると、
これまで見えていなかった価値が見えてくる。
世界が広がる。
私は最近、
成長とは、
新しいものを足すことではなく、
自分を縛っている思い込みを一つずつ外していくことなのではないか
と感じています。
この本は、経済の本ではありますが、
そんなことを考えさせてくれる一冊です。
思い込みの中にいる限り、人は自分の世界だけで生きています。
しかし、思い込みの外に出たとき、人は社会とつながる。
私が出版を通じてやりたいことも、
まさにそこなのです。
(終)
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