パを高める1分ヨガ 〜疲れた脳を再起動(リブート)!〜

『パを高める1分ヨガ 〜疲れた脳を再起動(リブート)!〜 』
小林眞咲惠
みらいパブリッシング
https://amzn.asia/d/03JWfN8n

『疲れない人になるより、「戻れる人」になる』

タイトルにある「パ」は、
コスパ。
タイパ。
そして、パフォーマンス。

忙しいビジネスパーソンに向けて、
たった1分でできるヨガを紹介している本です。

著者の小林眞咲惠さんは、
外資系企業で約15年働き、
そのうち約10年、役員秘書として経営層を支えてきた方。

その経験から、
成果を左右するのは、
自分を追い込むことではなく、心身のコンディションである
と考えるようになったそうです。

この本を読むと
「疲れないこと」を目指さなくていいんだ
と思えます。
というか、疲れない人なんていません。
ずっと絶好調の人がいたら、むしろちょっと心配です(笑)。

人間なのだから、疲れる。
集中できない日もある。
苦手なこともある。
自分の短所が出てしまうこともある。

大事なのは、それをなくすことではなく、
「自分はこういう状態になることがある」
と知った上で、どう付き合うか。
なのだと思います。

私は妊娠中、貧血がありました。
だからといって、
「貧血だから、どこにも出かけられない」
は、我慢なりません。

電車で立っていてつらくなったら、次の駅で降りる。
ベンチで少し休む。
回復したら、また乗る。
必要なら、また休む。
そうすれば目的地には行ける。
これって、すごく大事なことだと思うんです。

0か100ではない。
元気なら行動できる。
疲れたら行動できない。
ではない。
自分の状態がわかっていれば、
その状態に合わせて方法を変えられる。

私は、仕事でも同じだと思っています。
人には、それぞれ得意なことと苦手なことがあります。
調子のいいときも、悪いときもあります。

なのに私たちは、
「苦手をなくさなきゃ」
「いつでもちゃんとできなきゃ」
「もっと頑張らなきゃ」
と考えてしまう。

でも、本当に必要なのは、
自分を完璧にすることではなく、自分の扱い方を知ること
なのではないでしょうか。

この本には、日常の中でできる「1分ヨガ」が紹介されています。
着替えも、マットも、特別な知識もいらない。
崩れたら、1分で戻す。

実際に本を読んで実践した人からも、
身体と心が離れていたことに気づいた、
自分の意識が身体に一致すると仕事に集中できた、
という感想が寄せられています。

私は、この「戻す」という考え方がとてもいいと思いました。

疲れないようにするのではなく、
疲れたら、戻す。

乱れないようにするのではなく、
乱れたら、整える。

失敗しないようにするのではなく、
失敗したら、次の打ち手を考える。

そのためには、まず、
「今、自分はどういう状態なのか」
がわからなければならない。

だから私は、
頑張る力より、
自分の状態を理解して回復させる力のほうが、
ずっと大事なんじゃないか
と思います。

そして、これって、
「自分の人生の主導権を握る」
ということにもつながると思うのです。

主導権を握るというと、
自分の思い通りにすること。
人を引っ張ること。
強く決断すること。
そんなイメージがあります。

でも、そうではない。

雨が降ったら傘を差すように、
疲れたら休む。
うまくいかなかったら方法を変える。
自分の特徴がわかっているなら、それを前提に仕組みをつくる。
現実をちゃんと見て、その都度、自分で次の一手を選べる。
それこそが、自分の主導権を握ることではないでしょうか。

そして私は、
これがリーダーシップなのだと思います。

人を動かすことだけが、リーダーシップではない。
まず、自分自身の状態を知り、
自分をどう動かすかを決められる。

疲れてもいい。
止まってもいい。
調子が悪くてもいい。
問題は、そこで主導権まで手放してしまうことです。

この本を「1分でできるヨガの本」と読むこともできます。
でも私には、
「いつでも絶好調でいよう」とする本ではなく、
「何度でも、自分で自分を取り戻せる人になろう」とする本
に思えました。

自分を知っている人は、工夫ができる。
工夫ができる人は、また動き出せる。
だから、止まることも、休むことも、
前に進むことの一部なのだと思います。
(終)

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