書籍編集者 城村典子のブログ

商業出版の企画書の作成ポイント 〜読者を意識できているか〜 <その5>

1.出版企画書の項目、それぞれ、カンタン解説します!」では、

出版企画書のフォーマットについて解説しました。
各項目については理解したとしても、そもそも出版企画書を書くときには
どういった点に気をつけたほうがいいのでしょうか?

ここでは、出版企画書作成のコツについてお伝えします。
出版企画書を書くときはココに気をつけろ!


1.長すぎる企画書はうっとうしいだけ! 適切な量にまとめよう

出版に対する熱い想いを伝えることは大事です。

ただし、ただでさえ多忙な編集者。

数十ページにわたって想いを綴られてしまうと「結局、何が言いたいの?」となりがち。

思い入れが強いほど、力が入ってしまうのは分かりますが、企画書はシンプル&簡潔が一番。

長さはA4、1枚にまとまる程度にしておきましょう。

2.みんなに読んでもらいたいはNG! 読者ターゲットをはっきりさせよう

よく「一人でも多くの人に読んでもらいたい」と言う方がいます。

その気持ちに嘘偽りはないでしょう。

しかし出版企画書を作成する時点では、「みんなに読んでもらいたい」はNG。

「みんなに読んでもらいたい=誰の心にも響かない」ということになりがち。

特に誰に読んでもらいたいのか。

具体的なイメージを湧かせることで、より相手の心に響く出版企画書を作成できます。

3.出版するだけではもったいない! 発売後のイメージもしっかり描こう

もし出版が実現したら、皆さんの人生はどのように変わると思いますか?

有名人になれる? テレビに出演できる? 印税で生活できる? 異性からモテる?

出版することで、あなたの人生に何かしらの変化が訪れる可能性はとても高いです。

ただし、発売後のことを何も考えずにただ出版してしまうと、

思った通りの変化を得られなかったり、思わぬ悪影響を受けたりすることもあります。

だからこそ、出版実現をゴールにするのではなく、

出版後にどうなりたいのか? をよく考えてほしいのです。

例えば、出版を通じて、自社のお客様を増やしたいと思ったら

自ずと読者ターゲットは決まってきます。

読者が見えてきたら、彼らが興味を持ちそうな内容を執筆すれば良いのです。

出版後のことを何も考えず、ただ“売れそうだから”“ブームだから”

といった理由で出版してしまうと、読者に予想外の印象を与えてしまったり、

本は売れたけど自分のビジネスの加速には

つながらなかったりといったことが起こってしまいます。

そのようにならないためにも、出版企画書を作成するときから、

出版後のことまで明確にイメージしましょう。

 

出版企画書を通じて、本の完成から出版後までイメージしよう

 

A4、1枚の出版企画書でも内容は様々。

独りよがりなものから、「なるほど!」と思わずうなってしまうものまで色々あります。

編集者は出版企画書を通して、本の完成から出版後のことまでイメージを喚起させます。

逆にいうと、どんなに一生懸命書いてあったとしても、イメージが湧かない企画書はお蔵入りです。

編集者に「出版させたい!」と思わせる。

そんな企画書を作成できたら、あなたの出版実現もほぼ目前です。

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