書籍編集者 城村典子のブログ

本が出版されると世界が変わる理由

いまさらですが、私は編集者です。
出版社の編集者と一緒に企画をつくることもありますし
著者と一緒に企画をつくることもあります。
著者と企画を一緒につくっていくとき
基本的には、ヒントや書き方はお伝えしますが
基本、自分で書いてもらいます。
大変なこともあります。
著者の中には、
「わかんなくなった!」とか
「考えられない~」という場面に出会うこともあります。
まあ、生みの苦しみはあるでしょう。
一方、びっくりするほど、
著者が世界を変えていく状況もよく目の当たりにします。
一緒に企画をつくる最中に
「こういう著者になってほしい」という
いち編集者の勝手な理想をお伝えしています。
読者はもちろん
自分の本を出した出版社だけでなく
他の出版社や、書店からも見られるわけですし
著者は、かっこいい著者であってほしいですからね。
でも、その私が話す
「勝手な理想」は、とても著者には刺激的なようです。
顔がパーっと明るくなり、
未来をつかんでるかのようです。
そうなった著者は、早いし力強いです。
どんどん、自分の未来に向かって行動していきます。
その行動が、出版社の採用にも大きく関わるし
執筆にも反映されます
そう、本を出版するということは
本が出版されて、世界が変わるのではなく
「著者になる」という行為の中で
著者が世界を変える力を蓄えていくということなんだと
感じます。
本がでるまでに、どれだけ著者が準備ができているか
その準備ができた上に本が出るから、著者の世界が変わり、
また、本が、世界を変えていくのだと
つくづく、実感します。

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