「テレビは男子一生の仕事 ドキュメンタリスト牛山純一」
鈴木嘉一 著
平凡社 刊
https://www.amazon.co.jpdp/4582837328
テレビは何を目指したか。
『ノンフィクション劇場』『ベトナム海兵大隊戦記』『すばらしい世界旅行』。
圧倒的熱量でテレビの地平を切り拓いた傑物の足跡。
テレビとはまるで流水のように、次から次へと情報を生みだし、消えていく、忘却のメディアである。であれば、テレビの草創期、どのような放送人がいて、どのような苦悩があって番組を作っていたかなど、われわれは知ろうとしない。
日々、膨大な番組を生みだす放送人のみならず、
それを受容する視聴者も、テレビの過去を見ている余裕などないのだ。
牛山純一。1953年、日本テレビ放送網に一期生として入社し、数々のテレビ・ドキュメンタリーを制作し続けて亡くなったこのテレビの巨匠を、われわれはどのくらい知っているだろうか。
おそらくほどんどの人が知らないに違いない。名前すら聞いたことがないに違いない。
そのくらい、テレビの過去をわれわれは知らない。
本書は牛山純一というテレビに生き、テレビに死んだ放送人の生涯をつづった力作である。
牛山の家族や同級生、テレビ局の関係者や部下たち、
大島渚など親交のあった映画監督や学者にいたるまで、
緻密な取材から牛山の一生を明らかにした初めての書籍である。
長年、放送界の取材を続けてきた元新聞記者の著者だからこそ成せたのだろう。
*この記事は、ネット上の書評を引用して構成しています
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