「あの極限の文学作品を美麗漫画で読む。―谷崎潤一郎『刺青』、夢野久作『溢死体』、太宰治 『人間失格』、泉鏡花『外科室』(まんがのほしCOMIC) 」
谷崎 潤一郎 (著), 夢野 久作 (著), 太宰 治 (著), 泉 鏡花 (著), ひらはらしだれ (著)
興陽館 ( 刊 )
https://amzn.asia/d76p2V0
この本はWEBで女性を中心に人気の漫画作家ひらはらしだれさんに
『人間失格』(太宰治)という大メジャー作品から
『溢死体』(夢野久作)という知る人ぞ知る耽美的な作品まで
極限の愛をテーマに、
新たな漫画作品として書き下ろした一昨です。
「くず男愛」「フェチ愛」「妄想愛」「死体愛」
を描いた文学作品を漫画で描いています。
長い間、出版の仕事をしているので、
私のことを文学少女的な女子であると
思ってくださっている方もいますが、
決して、そのように深い造詣があるわけではなく、
本当に、一般読者であっても、もっと文学に親しんでいる人は
たくさんいらっしゃるわけですが、
そいうことを前提に
シンプルに、一個人として、本を楽しんでいる者として
感じるのは、「文学は人を豊かにする」。
そもそも、「豊かさ」って何かを思った時に
何が、豊かさかと考えるわけですが、
逆に、「貧しさ」は何かと考えた時に
これは、人それぞれ、感じ方が違うと思いますが、
私が、個人的に「貧しさ」を感じるのは
「人の卑しさに触れるとき」だなと思います。
では、「卑しさ」とは何かというと
「卑しい行為」そのものなのではなく
「卑しい行為」をしてしまったことに対する
人の感じ方の方や考え方に「卑しさ」が宿るように思います。
人は、過ちも犯すし、
卑怯なこともするのだけれど、
自分の命を犠牲にしても、人を救ったり
尊い行動を行ったりする。
人の心の動き、痛み、後悔、
希望、愛、絶望、葛藤があり、
心が動かされるのだと思います。
文学作品を鑑賞する、
読み解こうとすることは
人を追求することで
感受性を豊かにすることでより楽しめるし、
楽しむことによって、感受性が育まれる。
しかし、文学はちょっと、とっつきにくかったり
すぐに理解しづらかったりするのも事実です。
いま、情報が溢れかえる時代に
おそらく、鑑賞のきっかけや
解説があると、作品に触れやすいと思います。
巻末には
「死んでも読みたい究極の文学作品105」というのがあって、
私は、この
「死んでも読みたい〜」という言葉で
この編集者の思いに、ガツン!と
一瞬にして、やられました。
ぜひ、この耽美な文学の世界にお入りください。
このシリーズが続くことを望んでいます。
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