研究者の愛

「子どもたちのアイデンティティー・ポリティックス ブラジル人のいる小学校のエスノグラフィー」
森田京子 著
新曜社 刊
https://www.amazon.co.jp/kodomotachino/dp/4788510634

 

 

タイトルがちょっと難しいのですが、
とても現代的な話題なのです。

アマゾンの本の紹介が的確なので
ご紹介します!

 

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この本は、ある小学校に転校してきた三人のブラジル人生徒と教師や他生徒が織りなす、ダイナミックな人間模様の記録です。次々と問題が起こります。しかし彼らはただ少数弱者であるだけではなく、学級でサバイバルしてゆこうとする能動的な行動者でもあるのです。また、閉鎖的・画一的だと捉えられがちな日本の小学校のシステムが、実はたいへん有効な側面も持っていたのでした。子供と毎日接している教師でさえ気づかない、子どもたちの学校での経験と成長の姿が、著者の筆致によって、躍動感をもって伝わってきます。

 

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「日本は移民が少ない」

もしかしたら、大半の人はそう思ってるのかもしれませんが

でも、小学校の現場では、大半が、ブラジル国籍の人
という地域があったり、

クラスに、日本国籍以外の人がいる
という状況は珍しい状態でなかったりします。

 

 

どう考えても世界と日本の状況を見れば
日本人は減っていて

自然の理では、日本国籍以外の人が日本で生活するというのは
ある話です

 

にもかかわらず
この件に対する、日本人全体の課題意識が著しく低い

ということを、この本で自覚させられます

 

 

タイトルを補足すると

エスノグラフィーとは「民族誌、民族誌学」と訳せるそうで。
民族学、文化人類学、社会学などで使われている中心的な研究手法だそうです。

フィールドワークによって行動観察をし、その記録を残します。

 

近年では。この手法は、心理学や教育学、医療分野やビジネスの分野でも取り入れられていて、
マーケティングやマネジメント、
人材育成などでも新たなニーズや活用法を発見するために活かされてるとのこと。

 

まさしく、多様化の現代において、めちゃくちゃ必要な考え方じゃないですか!

って感じます。

 

 

と、この本の意義はすごく深いのですが
一番感動するのは

この著者(研究者)の愛です。

 

子どもの可能性を信じ

日本人のアイデンティティを肯定するからこその

観察と分析と表現。

力強い愛を感じます。

 

 

血が繋がっていなくても

子どもを愛することは

自分を肯定すること

未来を信じることだと感じます。

 

 

読み応えのある一冊です

 

 

 

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