心に刺さったままの言葉のトゲをじょうずに抜く本

『心に刺さったままの言葉のトゲをじょうずに抜く本 』
kokko
青春出版社
https://amzn.asia/d/4S7LPR9

人間って、本当に精緻な仕組みを持っているなあと思います。

過去に言われて傷ついた「言葉」。
その「言葉」は嫌な感覚と結びついていて、自然と避けるようになる。
それが習慣化して、やがて仕組みのように定着していく。

たとえば、
「この匂いがしたら、この食べ物は傷んでいるかもしれない」と感じる本能的な感覚。
あるいは、対話の中で「この人、ちょっと怪しい」「マルチや宗教の勧誘かも」と察知する直感。
どちらも、私たちが持つ“生存の知恵”の一部です。

この仕組みがうまく働けば、体を守り、騙されずに済みます。
でも、過剰に反応してしまうと、逆に自分を苦しめてしまう。
「言葉のトゲ」というのは、まるで免疫の過剰反応のようなものかもしれません。
――この本を読みながら、つくづくそう感じました。

面白いのは、「トゲ」をうまく抜いてあげると、
その何倍もの幸福感が訪れるということ。
寒い日にお風呂に入ったときの、あの全身に広がる幸福感。
トンネルを抜けた瞬間の開放感。
それに似た感覚です。

長年付き合ってきた自分に、
「あなたはこのことでずっと苦しかったんだね。もう笑顔になっていいよ」
――そう、自分で自分に言ってあげられるようになる充実感。
この本には、そんな“トゲ抜き”のヒントがたくさんあります。

「お姉ちゃんなんだから」
「あなたのためを思って」
そんな言葉たち。
自分でも気づかないうちに刺さっていたトゲに気づき、
読むことでスッと抜けていくような感覚があります。

バッサリとした傷なら治療できるけれど、
トゲに気づいていない人は意外と多いのかもしれません。

私自身を振り返ると、感情の激しい子どもでした。
この本に出てくる“トゲ言葉”を目にすると、
「あの時、あれ言われて本気でムカついた!」という記憶が蘇ります。
「大人は嘘つくなー!」
「それ、自分の都合じゃないの?」
――そんな怒りを原動力に、私はここまで生きてきた気がします。
そして今も、絶賛継続中(笑)。

この本を通して、改めて思いました。
私は、自分を傷つけるトゲすら許さないほど“わがまま”なのだと。
でも、そんな私にお付き合いくださる皆さんがいてくれることに、
心から感謝しています。

どうぞこの本を読んで、
あなた自身の中にあるトゲを見つけ、
やさしく抜いてあげてください。
その先には、きっと深い幸福感が待っています。
(終)

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