「日本音楽のなぜ? 歌舞伎・能楽・雅楽が楽しくなる 」
(放送大学叢書)
竹内道敬 著
左右社 刊
確かに「日本の音楽」という言葉からくるのは
「みんなが大好き、日本の音楽」とか
「日本の音楽があったから、今らがる」
というような、ものではなく
「日本音楽のなぜ?」としたのが、絶妙です。
日本音楽と聞くと
「歌舞伎」「能」
神社にで祝をあげてもらうときなどの
「ぴや~」といった音を思い浮かべたり・・・
神聖な感じもしますが
「ああ。懐かしい」と多くの人が感じるものと
ちょっと違うように思います。
でも、それだからこそ、日本なのだと
この本を読んでさらに思いました。
それは
根強い、ガラパゴス感覚のなせる現象
というのが、私の感想です。
世界の多くは、
民族紛争の歴史をたどり
何代にもさかのぼり、先祖のことを語り
その国を追われ、何代を経ても
「先祖の土地に戻るんだ」
という強い意識をもつ民族もあります。
彼らは、おそらく
その先祖代々続く音楽を聞くことで
どのくらい癒され
モチベーションをあげ
心のよりどころにしているか・・・
まさしくソウルミュージック。
日本人が、日本音楽に関心が薄いことのひとつには
こうした、他民族との間の軋轢が少ないからなのではと
感じます。
なので、どの国の音楽でも
素直にうけいれてしまうような。
私は、個人的には
そういう日本人が好きですが、
今、世界はどんどん、多様化し
様々な人種・民族の人がいりま知り始めています。
なので、
その中の葛藤や軋轢を踏まえた上での
オープンマインドならOKなのでしょうけれど
単に世間知らずの
人の神経を逆なでるような無神経ぶりはNGでしょう。
見識を広げた寛容さをもてるといいなと思います。
この本の中で面白いなと思った話。
日本の音楽は
演者は、すべて観客を向くのだそうですが、
なので
オーケストラの指揮者というのは、
稀有な存在のようです。
しかし、これも
指揮者がいないと、ハーモニーがつくれない
つまり、それぞれの点でバラバラな演者たちを
束ねる必要があったおいうことで
19世紀くらいからの文化だそうです。
しかも、
指揮棒を振る前は
金属の棒で音をならして音をまとめてたというので
作者も書いていますが
繊細さの対局をいくというか
どんな光景だったのでしょう?
そうまえして音楽を楽しむというのはおもしろいものです。
この本は、日本音楽の歴史もおもしろいのですが
日本人の精神の背景が知れる本でもあります。
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