すっきりわかる!超訳「芸術用語」辞典

「すっきりわかる!超訳「芸術用語」辞典」
中川右介 著
PHP研究所 刊
https://www.amazon.co.jp/dp/456976228

 

 

「ビエンナーレ」「トリエンナーレ」などのアートイベントが各地で開かれるようになり、

今年も「ヨコハマトリエンナーレ」をはじめとして、多くの芸術祭が注目を集めた。

 

「アート」が身近になったぶん、関連する言葉に接する機会もあるが、

意味を聞かれると答えられないものも多い。

 
本書は、そんな「分かりそうで分からない」芸術用語の数々を、

砕けた言い回しで「超訳」し、解説する一冊。

 

 

著者は「クラシックジャーナル」の編集長。

 

 

例えば「ゴシック」を超訳すると「何となく、不気味」。

美術用語の「ゴシック」は、

北方ゲルマン民族の蔑称である「ゴート人」を語源とし、

最初は建築にのみ使われていたが、今では中世のヨーロッパ芸術全般、

政治や哲学にまで用いられていると解説する。

 

 
「バロック」は「『暗さ』の発見」。

ポルトガル語で「ゆがんだ真珠」という意味が語源。

 

今でこそ高尚な芸術をさす言葉のように聞こえるが、

かつて「アレはバロックだ」と言えば、むしろ「不均衡」「装飾過多」といった意味で、

むしろ蔑称だったという。

 

 
ほかにも「アカデミー」は「自分で偉いと思っている人たちの集まり」。
「ロココ」は「元祖キレイ、カワイイ」。
「世紀末芸術」は「どうでもいいじゃん的気分の芸術」。
クラシック音楽の分野も解説されており「ラプソディ」は「自由奔放でカッコイイ音楽」。
「コンチェルト」は「ひとり対数十人のバトル」。

 

 
映画・演劇部門では「ヌーベル・バーグ」が「フランスの難しい映画」。
「アメリカン・ニュー・シネマ」は「俺たちに明日はないけど、明日に向かって走れ」。
「女形」は「玉三郎」。

 

 
難しそうに見える芸術も、
本書を片手に鑑賞すれば、新しい楽しみ方ができるのではないだろうか。

 

 

 

 

*この記事は、ネット上の書評を引用して構成しています

 

 

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