読みたいことを、書けばいい。 人生が変わるシンプルな文章術

「読みたいことを、書けばいい。 人生が変わるシンプルな文章術」
田中 泰延
ダイヤモンド社
https://www.amazon.co.jp/dp/447810722X/

 

この著者は、ビジネス本が嫌いだということで

その理由を引用すると・・・

『ビジネス本はなにかの「役に立つ」ことを主眼に出版されている。

だが、「役に立つ」ことは恐ろしいことなのである。

ためしに、台所にとても役に立つスポンジと、ちっとも役に立たない石ころを置いてみよう。

3か月後、ボロボロになるのはどちらだろうか。

「役に立つ」ということは、身を滅ぼす結果を招くのである。』

・・・・・・・・・・

ということなのです。

 

このことに、私も実は共感しています。

 

商業出版というのは、ちょっと、真剣に言葉を考えると

結構、いやらしい言葉です。

 

何しろ「商業」ですから。

 

でも、まあ、そこはいったん置いといて、

出版社は本を売って儲けるのがビジネスモデルですから、

売れない本を出し続けていたら、会社が存続できなくなります。

 

なので、売れる本の企画がほしいというのがセオリーです。

 

私は、著者の方に出版を薦めるのが仕事です。

(本の世界は、著者のコンテンツでできていますから、著者こそが、宝です)

 

その際、商業出版はシンプルで成功しやすいと思っています。

 

出版社はもともと本を売って儲けたいのですから

本を広めることにエネルギーが向かってます。

 

そのエネルギーを利用させていただき、本を出そう。

というのが、私の戦略です。

 

なので

「人に役に立つ」ものでないと、採用してもらえない。

 

商業出版にしてもらえないのです。

 

しかし、この著者が言うように

「役に立つ」ものは短絡的、消費的でもあるのです。

 

極端なことをいうと

本は「役に立つ」ようにできているのですが、

「役に立つ」ための背景が濃厚でないと、

実は売れないし、面白くないのです。

(まれに、希薄でも売れている本はあるかとも思いますが)

 

そして、その背景というのが

「著者の思い」「著者の動機」なのです。

 

で、著者にとっても「役に立つ」ことを

「自分の背景や、動機から語る」

という本にすることが、

著者になることの最大の醍醐味でもあるのです。

 

なぜなら

その企画を作ることが

著者の存在意義が社会貢献していることを証明」することになるからです。

 

自分の存在価値を自分が知る。

 

「自分なんか」なんて、無責任なことは言えません。

 

自分がいなければ、社会は、その人がいない分、貧しくなるのです。

 

そのことに、みな気づいてほしいと思います。

(終)

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