父滅の刃~消えた父親はどこへ アニメ・映画の心理分析~

「父滅の刃~消えた父親はどこへ アニメ・映画の心理分析~」
樺沢紫苑
みらいパブリッシング
https://www.amazon.co.jp/dp/4434277286/

 

「父滅の刃」という本をつくっています。

 

このブログでも、講演会の宣伝などしているので知ってくださっている方も多いかと思います。

でも、ただ「父滅の刃」って言われただけでは何かわかりませんよね?

すこし説明させてください。

 

どんな本かというと、映画・アニメから「父性」の在り方を分析した本です。

そう言っても、まだわかりづらいかと思います。

もう少し説明します。

 

今、「生きづらい」と感じている方がいたとします。

その生きづらさの原因の中には、必ず「父性」の問題があるのです。

人というのは「父」と「母」の間に生まれます。

 

他の動物に比べて、人は進化の過程でびっくりするほど未発達で生まれます。

生まれてから、食事の仕方、排泄の仕方、人との付き合い方、

人間として生存していくための最低限のことから、社会と繋がり生きていく、

さらには、社会の発展につながる行動をして生きていく。

 

そんな高度なことも、生まれてから学習することがものすごく多い。

逆に、生まれて育った文化(家庭や、地域やらのコミュニティ、与えられる情報)によって、

ものすごく影響を受ける。その影響の最たるもの、まずの一歩が両親ということになります。

 

わざわざ、こんなことを説明しなくても、両親が自分に与える影響はそもそも大きいと思っている人も多いでしょう。

ですが、ここで重要なのが、単に「両親がいる(つまり、父と母がいる)」

ということが重要なのではなく、

人にとって重要なのは「父性」と「母性」というものである。

というのが、この本の主張です。

 

「父滅の刃」の作者は精神科医。

多くの臨床の場の経験から、改善が見られない患者さんに共通するポイントがあった。

それが「父性」の存在。

人の人格形成における「父性」の役割がいかに大きいかを訴えています。

 

「母性」というのは「母性愛」という言葉があるように、わかりやすい愛情です。

「父性」とは何か。

代表的な「父性的行動」は決める、断つ、責任をとる。

 

陰と陽でバランスが取れるように、人が成長する過程の中で「人と調和する」「白黒はっきりさせない」という母性と、

「決断する」「前に進める」という父性の両方が必要なのです。

そのことを裏付けているのが、なんと、映画・アニメの中の物語なのです。

 

皆さんも、共感いただけると思いますが、「大草原の小さな家」や「巨人の星」の世界は

今的な家庭というより、かなり、古き良き時代をイメージします。

 

そんな風に、映画・アニメで表現されている父、母、家族像が、時代によって大きく変わっているのです。

これは、各映画会社、アニメ会社、その作者たちが示し合わせて、そんなことを考えているわけではありません。

その制作陣たちは、無意識かもしれません。

 

映画・アニメにしても、どうしたらヒットするかを考えて作るので、

今時の感覚に合う作品を作るわけです。

そのヒット作の変遷を辿ると、かつて、家を支えていた強い「父」は、近年、どんどん弱くなります。

例えば、最近大ヒットした

「アナ雪」「アラジン(実写版)」などは、男(父性的な意味での)は出てきません。

 

また、日本の作品を見てみると「君の名は」「万引き家族」「鬼滅の刃」など

「父性」を女性が補完する、「父性」を子どもが補完することで、世界を調和させている。

そんな作品となっているのです。

 

なぜ、生きづらいのか。

この本が教えてくれるのは「いない父(父性)を求めているから」です。

「いや、父なんか求めてないよ」と思う人も多いかもしれません。

 

でも、無意識に、今の状況に対して、誰それが言うこと聞かないから。とか

誰それが意地悪だから。国の政策が悪いから。時代の流れだから。

◯◯だから、自分は辛い、うまくいっていない。

と思っている節はないでしょうか?

 

そこまで意識的になっていないにしても

うまくいかない理由は自分の外にあるのではないかと思っている。

では、うまくいかないのは、自分のせい?

それも違います。

今の時代に限らず、うまくいかないこと、失敗や嫌なこと、なんて、ずーっと何億年前からあるのです。

あり続けている。

ただ、それをどう対処して乗り越えるかの答えを、今は、自分が出すと言うことなのです。

 

いっとき前の家長制度のように、長男に生まれたらそのレール

農家に生まれたら、女の子に生まれたら、というレールは、今はない。

 

自分で、自分で選択して、自分で決めて、自分で判断して、自分で道をつくる時代。

「父性」は外になく、自分の中に見つける。

自分の父性を育てるために、モデルやメンターを見つける。

 

それにしても、モデルもメンターも万全ではない。

だから、自分でチョイスして、いいとこどりをして自分の「父性」を育てる。

そのためにまずは「父性」の存在を知る必要がある。

 

それを、面白く楽しく読めるのが

「父滅の刃 ~消えた父親はどこへ アニメ・映画の心理分析~」です。

(終)

 

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