りんごかもしれない

「りんごかもしれない」
ヨシタケシンスケ
ブロンズ新社
https://www.amazon.co.jp/dp/4893095625

 

ヨシタケシンスケさんは、

ご存知の方も多いと思いますが

売れっ子絵本作家。

 

この「りんごかもしれない」は

著者とのディスカッションの際に

発想の一助になると思い購入。

 

りんごは、「りんご」と思っていますが、

自分の思ってるりんごと、

隣の人が思ってるりんごは違う。

 

また、自分の思ってるりんごの概念は、

すごく狭く固定されていて

実は、りんごってこんなものかもしれないと

空想を広げることで、

読み手の固定概念、既成概念に気づかせてくれるような絵本です。

 

また、

この「かもしれない」という言葉の使い方が絶妙です。

 

「かもしれない」により、可能性が広がり、

ええ? りんごじゃないの? って不安が、発想を膨らませます。

 

こう言っては、なんですが、

ヨシタケシンスケさんには、お会いしたことがありませんが、

きっと、年中こんなことを考えているのだろうと思います。

 

友人で、伊藤文人さんという、

回文、さかさ絵の絵本作家の方がいますが、

もう、絵でも文でも、

「上から読んでも下から読んでも」

「上から見ても下から見ても」の思考回路になっていて、

圧巻です。

 

これって相当変なことですが

これが作家・著者の魅力です。

 

なので、私の周りには、変な人が価値があるというのが常識です。

 

ところが

これから著者を目指す方の中には

「個性をそのままにしていいということがわかりました」

というような発言を聞くことがあり

「ええええ!なんで、才能を枯渇させる訓練を人々はしているんだ!」

と、驚愕します。

 

昨日も

「発達障害気質で」とお話される著者の方の昔の話を聞くと、

あれあれ? それって、私のこと? って節が。

 

私も、幼稚園時代に人の流れを全く無視。

 

おかえりの支度をする頃に、ようやく絵を描き出したり、

人と違うことをしていたようです。

 

また、人から嫌われていることがわからない。

 

嫌われる勇気というより、

嫌われても気づかない症状。

 

なるほど、だから私はこの仕事をしているんだと

再認識しました。

 

私の主張としては、生きにくいと思ってる人は

本を書くべきです。

 

自分の「変」さが価値になる。

 

もっと変になってください、

って言ってもらえるのですから、

本を書いて欲しいと思います。

 

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